ベトナムのエネルギービジネスで苦戦する持続的プロジェクト

環境的な懸念がされつつも石炭火力発電所が増える一方で、クリーンなエネルギープロジェクトは経済性と政策変化に直面しています。

ベトナムは2030年までに石炭火力発電所を19基から51基に増設する計画を立てています。
そのほとんどは居住地域に隣接することになります。

この数字は、米国、ヨーロッパ、中国で環境的・健康的懸念から石炭火力発電所を減らすような徹底的な測定方法を採用している中において危機感を募らせます。

ベトナムの非営利組織GreenIDによると、ヨーロッパでは109基の石炭火力発電所が閉鎖し、米国では165基が閉鎖、179のプロジェクトの廃案が決まっています。

2014年中国政府は、経済地区である北京・上海・広州における石炭火力発電所の新設を許可しない方針を発表しました。

世界的な潮流に従って、ベトナムでもクリーンな代替法に移行しつつあります。
2020年までにニントゥアン省南部やビントゥアン省を風力・太陽光発電の中心地としようというのです。

しかしながら、2020年までにベトナムの電力需要が5~8%上がる見込みであるにも関わらず、地方自治体によるとニントゥアン省は依然として生産的な目標を達成できていません。

ニントゥアン省の人民委員会は、7月までに13基の風力発電プロジェクトしか誘致できておらず、総投資額は40.5兆ベトナムドン(18.1億アメリカドル)で、総発電量は1,100MWであると言います。

しかし、誘致した13基の内二つのみしか建設が開始されていないことを地方有力者は語ります。

地方自治体は、高い投資コスト、高い銀行利率、低い売却価格を理由に不満をもらします。

ベトナムでの風力電力は現在7.8アメリカセント/kWhで取引され、世界で最安値であることをビンディン省風力発電協会会長のブイ・ヴァン・ティン氏は語ります。

他国の風力発電の買取額と比較すると、ドイツ(12.3セント/kWh)、日本(29セント)、フィリピン(14セント)、タイ(20セント)、中国(8.5‐10)となります。
ティン氏は石炭の代替法となるには、あまりにもビジネス投資の割に合わないと言います。

風力発電の電力価格ゆえに投資家らは銀行から融資を受けられない、と専門家は説明し、政府は電力価格を12セント/kWh以上にすべきと述べます。

産業貿易省ビントゥアン部門部長のドゥ・ミン・キンによると、政府は9.6セント/kWhに調整するように要求しているといいます。

一方で、ベトナムの太陽エネルギープロジェクトは、公的価格が現在存在しない事によって更に大きな問題を抱えている、とニントゥアン省人民委員会議長のパム・ヴァン・ハウ氏は語ります。

ハウ氏は、多くの投資家らがプロジェクトに参加しているにも関わらず、太陽光プロジェクトの為の土地が確保できていないことを付け加えました。

「もしも、何もかも万事がうまくいくのならば、2016年10月までに計画案を完成させましょう。」

ベトナム産業貿易省と世界銀行による風力発電マップによると、ベトナムの風力発電量は理想的な高地と気候によってビントゥアン省とニントゥアン省で10,000MWに上りえるということです。

この数値はベトナムのメコンデルタ地方に建設された石炭火力発電の電力量の9/10に上ります。

ベトナムにおける日本の石炭技術供与

日本の石炭企業はクリーンで発電効率の良い石炭技術を供与する準備がある、と新エネルギー産業技術総合開発機構の環境部長のノボル・アオキ氏は語ります。

彼は、ベトナム産業貿易省(MoIT)と日本経済産業省(METI)によるハノイセミナーにおいて先日語りました。

このセミナーは石炭部門における貿易・協働を促す目的で開催されたものです。

MoITのエネルギー省副大臣のフォン・ホアン・キムは、日本とベトナムは石炭分野で共同活動を行い、石炭の採掘から資源活用にまで至ったと語りました。

日本は、石炭火力混合技術や低排出で効率の良い電力発電技術といった、最先端の石炭技術を積極的にベトナムへ供与しています。

加えて、日本は環境技術、例えば、運営上のノウハウや火力発電所のメンテナンス、石炭灰の処理技術もベトナムに供与しています。

そのような日本の支援活動はベトナムにとって増加するエネルギー需要や環境保全・持続可能性にとって不可欠なものです。

今後、石炭火力発電所はベトナムの電力供給にとって大きな役割を担うことでしょう。

しかし、国民や社会経済による電力需要の増加は、環境保全や気候変動防止と両立しなければなりません。

技術的な問題の議論に加えて、日本企業のクリーンな高効率石炭発電所や環境的に優しい火力発電所施設の運営モデルを見習う機会がセミナー参加者らにありました。

しかしながら、石炭火力発電所は環境的な影響があるのみならず、国際的な問題となっている温室ガスを低減させる必要にも迫られます。

よって、最先端の石炭技術を持った日本企業はベトナムに技術供与をし、環境問題解決に寄与することが出来る、とノボル氏は付け加えました。

セミナーにおいては、高効率電力発電技術から、プロセス技術、果ては環境モニタリングの手法について幾多の議論が挙げられました。