ベトナムはスクラップ鉄で繁栄するのか?

ベトナムの鉄鋼業は国内生産のためのスクラップ鉄の輸入が増えており、これは最も簡単で利益の上がる製鉄法です。

ハノイ大学の冶金・材料技術学部のブイ・ヴァン・ムー氏によると、上流工程からの鋼鉄製品は、鉄鉱石採取から最終製品製造まで一貫したプロセスを経なければならないと言います。

国内鉄工所は電気炉によって国内外から集めたスクラップ鉄から鉄鋼を製造しています。

これはベトナムにおける鉄鉱石採取技術がまだまだ発展途上であるからです。

石炭コークスを精製するためのガス用炭の利用はまだまだ控えめです。
更に重要な事に、投資家らはスクラップ鉄から鉄鋼を作る方が安上がりだと考えています。
この手法は高度な技術を必要としない上に、高い利益をすぐさまもたらします。

ムー氏は、ベトナムの鉄鋼業が電気炉を使ってスクラップ鉄から鉄鋼を作る事に依存することは驚くことではないとコメントします。

ベトナムにおいても、高炉を備えた製鉄所も存在します。例えば、タイグエン鉄鋼社(Tisco)にあります。

しかしながら、Tisco社の設備は中国製の古い技術を使ったもので、予想されたほどの性能が出せていません。

Tisco社の製品の殆どは4級家屋の建造に使われ、巨大建造物には品質の低さから使用される事はほぼありません。

そのような背景があり、Tisco社はより簡単な方法を採用しました。
スクラップ鉄を輸入し民間メーカーが利用するような鋼鉄を作るのです。

Tisco社は石炭高炉によって鋼鉄を作りたいとは考えていますが、Tisco社の技術レベルは必要水準に届いておらず、製造には重大な汚染が付きまといます。

GDCの報告によると、月の初旬だけでベトナムは2億7600万ドル相当の100万トンのスクラップ鉄を輸入しています。
一日あたりの輸入量は11,000トンにも上り、2016年度よりも1トン多くなりました。

ムー氏は、ベトナムの鉄鋼業は簡単な方法を選択し、スクラップ鉄の精製需要は増えていると言います。

ベトナムに輸入されるスクラップ鉄の品質は低く、取り扱いも難しければ重大な汚染も引き起こしかねないです。
しかしながら、高品質なスクラップ鉄はベトナムには輸入されません。

専門家らは国内のスクラップ鉄資源は十年以上活用できることを警告しました。

そのような事があるため、国内の供給網は弱く、製造業者は材料サプライヤーに依存しなければならないでしょう。

ベトナムは石炭高炉によって鉄鋼を作りたくとも、供給網に限りがある限りはそれも出来ないでしょう。