日本の石油製油業における展望変化:燃料を考える

日本の製油業は、国内と海外の安定供給化のバランスを掲げました。

かつての日本製油業は、日本国内を安定的な市場と捉え、輸出を成長戦略としていましたが、この戦略は大きく変わります。
現在では輸出競争が激しくなった上に、国内市場が不安定化しました。

国内の製油業がビジネスの統合に向かう動きによって、国内市場が数年後に二つの製油グループに支配されるということを意味するでしょう。

JXホールディングスと東燃ゼネラルが2017年4月に統合する事になり、出光興産社と昭和シェル社も2016年9月と2017年4月の間に同様の動きをするものと思われます。

統合によって、二つの製油グループが約300万b/dの許容量をもち、国内920,000b/dの約80%を独占することになります。
ガソリンは日本において310万b/dの需要を占めています。

これらの製油業者の狙いは減少する国内石油市場を独占することではなく、どちらかというと中核である石油ビジネスを安定化させることにあります。
持続的な成長を達成する為に、最適化された製品とよりコントロールされた国内供給によって安定化を図るのです。

JXと東燃ゼネラル社の統合は200万b/dの産出を誇り、国内のガソリン市場の50%以上を占める事になるでしょう。
しかしながら、JXと東燃ゼネラルは東京湾と西日本の競合を減らす事も考えているでしょう。

一方で、出光社と昭和シェル社の合併企業は、100万b/dを僅かに超える程度で日本のガソリン市場の30%を占める事になります。
出光社と昭和シェル社は日本においては精製所の場所に競合がなく、精製所の廃止・統合等は視野に入れていないといわれます。

どのように精製所の産出を最適化するのかはさておき、少なくとも短期的には効率化をもたらし、日本の石油業の業績バランスを回復させるでしょう。

国内統合と海外進出
近年では、日本の精製所は製品市場において熾烈な競争に晒されています。
2014年3月の産出量減を決定した年の状況は最悪でした。
それまでは、生産コストを下げるために供給過多を悪化させてきたのです。

「精製所は生産コストを下げるために供給を増やす傾向があるため、供給過多は明らかでした。」
石油協会日本会長のヤスシ・キムラ氏は11月19日東京における広報カンファレンスにて語りました。

キムラ氏は、供給過多そのもの必ずしも問題ではないとし「どうやって(石油製品を)売るかなんです。」と述べました。

製品の最適化を行い様々な選択肢を通して分配する一方で、国内の石油製品供給を引き締める事は精製所での売り上げをあげる鍵となるでしょう。
その為には非効率な精製所の廃止や保管ターミナルの統合等も含まれるでしょう。

アジアや中東のような最新で巨大な精製所を有する国際市場で競争力を育てるには日本精製業者には限られた選択肢しかありません。
海外での取引は成長の基礎となるでしょう。

出光社は2017年夏に稼働予定のベトナムの200,000b/dを誇るニソン精製所の株主です。
JXはインドネシアのバリクパパン精製所を、2022年までに360,000b/dの産出を誇るまでに改良する予定です。
両社はオーストラリアの石油マーケティング・供給を行うペトロ・ナショナル社との合意に踏み入りました。

これらの動きは、戦略的に石油製品の供給と輸入が成長しているマーケットにおいて日本の精製業者が下流・中流ビジネスを発展させようとしている事を示しています。
国外をFOB原則に従って輸出する相手国とした以前までとは明らかに対照的です。